シロワニ幼魚(個体番号:No.10)の死亡について

 2023年5月7日(日)に当館で誕生したシロワニ幼魚(個体番号:No.10)が2023年6月6日(火)に死亡しました。

5月10日撮影 「シロワニ」幼魚(個体番号:No.10)

シロワニ幼魚(個体番号:No.10)は誕生直後より浮力の調整ができず、水槽の底に沈む行動や遊泳の乱れなどが確認され、海外の他の水族館の事例などを参考に、試行錯誤しながら飼育員による処置を行ってきました。誕生から11日目にはエサを食べ、徐々に安定し、前日夕方も遊泳などに特に異常は見られなかったものの、2023年6月6日午前8時に出勤してきた飼育員が飼育水槽の底に沈んでいる個体を発見し、死亡を確認しました。

2023年5月7日に「サメの海1」水槽において誕生し、2021年6月17日に国内初となった「シロワニ」の幼魚が誕生して以来、当館では2回目、国内2例目の繁殖成功となりました。さらに、同じ親個体による2回の繫殖成功事例は日本では初めての快挙です。

飼育日数は2023年5月7日から2023年6月6日までの31日間で、誕生時の体長は92.8㎝、体重は5.1㎏で、死亡時の体長は95.7㎝、体重は5.0kgでした。詳しい死亡原因を検証し、今後の繁殖そして飼育展示へ役立てていきたいと思います。

これまで応援していただいた皆様には心よりお礼を申し上げます。

アクアワールド茨城県大洗水族館では、今後もシロワニそしてサメの繁殖に取り組み、多くの方にサメや生物の魅力をお伝えできるよう挑戦を続けていきます。

シロワニ幼魚について 

2023年5月7日(日)誕生
個体番号:No.10
性別:メス
誕生時の体長:92.8㎝ および体重:5.1kg
死亡時の体長:95.7㎝ および体重:5.0㎏

誕生直後の「シロワニ」幼魚(個体番号:No.10)の様子

親個体について

親個体は前回の1匹目と同じペア(メスNo.3・オスNo.4)
同じ親個体による2回の繫殖成功事例は日本初です。

●母ザメ…個体番号:No.3
 当館搬入:1999年6月(飼育期間23年11ヵ月)体長約300.0cm
●父ザメ…個体番号:No.4
 当館搬入:1999年6月(飼育期間23年11ヵ月)体長約280.0cm

母ザメ No.3
父ザメ No.4

シロワニ

学名:Carcharias taurus
英名:Sand tiger shark
体長:3.2m
生息域:インド、太平洋、大西洋、地中海の温~熱帯域に広く分布する。