当館初展示!南海の珍魚「ソトイワシ」展示中
アクアワールド茨城県大洗水族館では、茨城県では初記録となる珍しい魚類、「ソトイワシ」の展示を開始しました。

2025年9月30日、日ごろから展示生物の入手にご協力をいただいている日立市の漁業関係者の方より「見たこともない魚が捕れた」との連絡がありました。早速駆けつけて、確認をしましたが、その道30年の経験豊富な飼育員でもはっきりとその種を断定できないほど珍しい魚「ソトイワシ」の仲間ではないかと考えられたため、そのまま当館に搬入しました。その後、種の同定を行った結果、茨城県での捕獲記録は初めてとなる「ソトイワシ」であることが判明しました。
今回搬入された「ソトイワシ」は体長50cmで、定置網により漁獲されたため搬入当初は傷などが多かったものの、徐々に環境にも慣れて、傷の治癒とともにエサも食べてくれるようになったため、このたび展示を開始いたしました。「ソトイワシ」の展示は当館初となります。
展示場所 | 「大洗の生物1」水槽 (館内3階 出会いの海ゾーン) |
---|

「ソトイワシ」はソトイワシ科に分類される魚類で、名前に「イワシ」とつきますが一般的に「イワシ」と言われる「マイワシ」や「カタクチイワシ」とは全く違う分類の魚で、むしろ体形が大きく異なる「ウナギ」の仲間に近い魚です。日本国内では、主に九州の南部や南西諸島などの暖かい海域に分布しマングローブなどに生息していますが、本州で捕獲されることは極めて珍しく、2020年に岩手県で捕獲された記録はあるものの、茨城県での捕獲記録は今回が初めてとなることが判明しました。大きな鱗を持ち白銀に輝く魚体は、「ウナギ」はもちろん「イワシ」にもまるで似ず、顔つきなどはむしろ淡水魚の「ニゴイ」に似ています。
本来、暖かい海のマングローブなどにくらす本種が、どのような理由からまるで環境の異なる茨城県の海までたどり着いたのかはわかりませんが、普段、茨城の海では見ることのできない珍しいこの魚を通し、多種多様な生きものの世界に触れてみてください。
※生物の状況により、展示が中止となる場合がございます。あらかじめご了承ください。